はじめに
経営者であるあなたは、今日、どんな仕事に最も多くの時間を使いましたか?
売上の確認、社員のマネジメント、経費のチェック……
それらはすべて大切な「今を守る仕事」です。
ですが、もし未来を創る仕事を後回しにしているとしたら、要注意です。
市場は常に変化し、今のビジネスモデルもいつか通用しなくなります。
だからこそ、経営者には「2つのCEO」としての視点が必要なのです。
この記事では、中小企業経営者にとって不可欠な
今を守るCEOと、未来を創るCEOという2つの役割について解説します。
今の会社を守るCEO = 最高経営責任者(CEO/Chief Executive Officer)
まずひとつ目は、既存事業の経営管理を担う最高経営責任者(CEO)です。
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会社全体の目標と方針を定める
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組織と人材を最適に配置し、業務を最適化する
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財務・会計・法務などの管理体制を整備する
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安定した利益を確保し、持続可能な会社経営を行う
経営者として、まずはこの役割を果たさなければ、会社の土台は不安定になります。
多くの中小企業経営者が、日々この業務に追われているのが現実です。
未来の会社を創るCEO = チーフ・アントレプレナー(最高起業責任者) CEO(Chief Entrepreneor Officer)
もうひとつが、未来志向のチーフ・アントレプレナーの役割です。
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未来の市場や顧客ニーズを探る
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新商品・新サービスを企画・試作する
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社内にイノベーションと挑戦の文化を根付かせる
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新規事業を通じて会社の次の柱を育てる
この「未来を創る仕事」は、意識しないと誰も担わず、空白になりがちです。
だからこそ、経営者自らが旗を振ることが重要です。
2つのCEOを意識してバランスを取る
中小企業では、これら2つの役割を経営者自身が使い分けることが求められます。
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午前は経営管理のCEOとして日々の運営に集中する
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午後は未来創造のCEOとして新しい挑戦に向き合う
このように、時間や場所を区切って意識的に両立することで、会社の成長エンジンが生まれます。
また、未来志向の幹部やNo.2を育て、分担していくのも有効です。
【自己診断】あなたは2つのCEOを両立できている?
以下のチェックリストで、今のあなたの経営を振り返ってみましょう。
■ 最高経営責任者(CEO)チェック
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□ 会社の数字と現状を把握し、管理できている
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□ 組織運営や業務改善に取り組んでいる
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□ 経営リスクを見据えて判断している
■ チーフ・アントレプレナー(未来創造CEO)チェック
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□ 未来の市場や顧客の変化について考えている
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□ 新しいことに挑戦する文化を意識的につくっている
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□ 新規事業やプロジェクトを動かしている
チェックが少ない方が、あなたが今意識して伸ばすべき役割です。
未来創造CEOを育てる社内体制をつくろう
未来を創るのは、経営者ひとりでは限界があります。
次のような工夫で、社内にも未来志向を広げていきましょう。
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プロジェクトチームを作り、未来を考える時間を定期的に確保する
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小さく試し、失敗を許容する文化を育てる
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幹部やNo.2を巻き込み、未来創造の視点を共有する
未来は待つものではなく、創るもの。
その意識を、会社全体に浸透させていきましょう。
終わりに
「2つのCEO」という考え方を持つだけで、あなたの経営はもっと強く、柔軟になります。
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今を守る最高経営責任者
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未来を創る最高起業責任者
この2つの視点を行き来しながら経営することで、
中小企業は安定と成長を両立できるようになります。
ぜひ今日から、「今の自分はどちらのCEOか?」を意識してみてください。
未来は、今この瞬間の小さな意識の積み重ねから創られるのです。
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