管理会計の始め方——中小企業経営者向け入門ガイド

会計・財務のしくみ

「管理会計って言葉は聞くけど、何から手をつければいいかわからない」

経営者やNo.2の立場で、そう感じたことはありませんか?

会社を成長させるには、まず「自社の現在地」を正しくつかむことが欠かせません。そのための道具が管理会計です。とはいえ、いきなり難しいシステムを入れる必要はありません。順番に進めれば、誰でも入門できます。

この記事では、管理会計を使い始めるための基本ステップを、4つに分けて解説します。

第1歩 目的を先に決める

管理会計は、経営判断を助けるための道具です。ところが、ここでつまずく人がとても多い。「とりあえず数字を集めよう」と始めて、データの山に埋もれてしまうのです。

大事なのは、何のために数字を見るのかを先に決めること。目的があいまいなまま情報を集めても、使われないまま終わります。

たとえば、こんな目的が考えられます。

  • どこを削れば利益が残るかを見極めたい(コスト構造の把握)
  • どの部門・店舗が稼いでいるかを比べたい(部門別の採算)
  • 新しく始める事業が、本当に儲かるのか判断したい(採算シミュレーション)

「何を知りたいのか」を一つに絞ると、集めるべきデータが自然と見えてきます。まずはここからです。

第2歩 見るべきデータを絞る

管理会計では、集める情報を欲張らないことがコツです。あれもこれもと手を広げると、続かなくなります。最初は、次のような数字から1〜2つ選べば十分です。

  • 売上高・売上構成比(何が、どれだけ売れているか)
  • 部門別・商品別の利益(どこが稼いでいるか)
  • 一人あたりの売上・生産性(人の効率)
  • 現預金の残高と動き(手元のお金)

売上高だけでなく「どれだけ利益が残るか」を率で見る考え方は、粗利率で経営を見る——売上より大事な数字の話で詳しく解説しています。手元の現金の動きについては、キャッシュが尽きる前に気づく——月次で見るべき数字3つもあわせてどうぞ。

第3歩 数字を分析する切り口を持つ

データを集めたら、ただ眺めるのではなく「切り口」を当てて読みます。代表的なものを挙げておきます。

  • 利益率の比較……商品・部門ごとの粗利率を並べて、儲かっている順に見る
  • ABC分析……売上や利益への貢献度で商品をA・B・Cに分け、主力と見直し対象を仕分ける
  • KPI管理……「客単価」「リピート率」など、目標につながる数字を毎月追う

こうした分析は、Excelでも十分できます。ただ、毎月手で集計するのは負担が大きい。そこで、freee会計マネーフォワードクラウド のようなクラウド会計ツールを使うと、売上・コスト・資金繰りをまとめて管理でき、管理会計の入口として使いやすいです。銀行口座と自動連携すれば、数字を入力する手間も減らせます。

第4歩 レポートを続けて、変化を見る

管理会計の最大の価値は、数字を「見える化」して、変化やズレに早く気づけることです。

毎月・四半期ごとにレポートを作り、前月や前年と比べてみましょう。一度きりの数字には意味がありません。続けて並べることで、はじめて傾向が見えてきます。「先月より粗利率が落ちている」「あの商品の貢献度が下がってきた」——そうしたサインを早くつかめれば、手を打つのも早くなります。

まとめ

管理会計の入門は、難しく考える必要はありません。

  • 第1歩……何のために見るのか、目的を先に決める
  • 第2歩……見るデータを1〜2つに絞る
  • 第3歩……利益率・ABC分析・KPIなどの切り口で読む
  • 第4歩……レポートを続けて、変化に気づく

完璧な仕組みを最初からつくろうとせず、小さく始めて育てていくのがコツです。まずは「自社で一番知りたい数字は何か」を一つ書き出すところから、動き始めてみてください。


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