「自分は“社長”として、ちゃんと経営しているのか?」
ふと立ち止まって、こんな疑問を抱くことはありませんか?
売上もそこそこ出ている。毎日やることは山のようにある。けれど、なんとなくモヤモヤが残る。
そんなときに、ひとつ思い出してほしいことがあります。
あなたの中には、3人の“社長”がいることに気づいていますか?
中小企業の経営者は、実は「3人の人格(役割)」を同時に背負っています。
それぞれが必要でありながら、バランスを崩すと、経営に歪みが出てくる。
その3人とは――
① 目の前の仕事に没頭する“職人社長”
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お客様の前に立ち、自らサービスを提供し、商品をつくる。
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営業も納品も、全部自分。
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「この仕事は、自分にしかできない」
そんな思いで、今日も現場の最前線に立ち続ける。
気づけば、夜中まで一人でパソコンに向かっている。
「職人社長」は、現場に強く、手も早い。だけど、その分、抜けられない。
会社が社長一人の“背中”に乗っている状態になってしまうのが課題です。
② 現場の混乱を嫌い、安定を求める“管理社長”
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社内のスケジュールを整え、在庫を確認し、数字をチェックする。
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つい口ぐせは「段取りが悪いと全部が回らない」
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「ちゃんと管理しないと…」という不安と責任感で日々奮闘している。
この「管理社長」は、安定した経営を支える縁の下の力持ち。
ただし、変化を嫌いすぎると、新しい挑戦を後回しにしがちです。
③ 未来を描き、新しいことに挑みたくなる“冒険社長”
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「もっと良くなる方法はないか?」
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「この商品を全国に広げたい」
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「このサービス、別の業界でも使えるかも」
常に未来を見て、ワクワクする方向に目を向けているのが「冒険社長」です。
だけど、日々の業務に追われて、“冒険”の時間がどんどん削られていく。
気がつけば、理想もアイデアも、机の引き出しの奥にしまわれたまま。
バランスが崩れると、会社は止まる
この3人は、どれが「正解」というわけではありません。
すべてが必要。けれど、時間配分や力のかけ方に偏りが出ると、会社の成長が鈍化してしまいます。
たとえば…
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職人社長だけに偏れば、「自分が倒れたら終わり」の会社に。
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管理社長だけに偏れば、「やることは正しいけど面白くない」組織に。
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冒険社長だけが走れば、「夢はあるけど、足元が崩れていく」結果に。
あなたは今、どの“社長”に時間を使っていますか?
「職人・管理・冒険」――
この3人を、自分の中でどう使い分けるか。
これが、これからの会社を“自走”させる第一歩です。
最後に:時間の使い方が、経営の質を決める
「人を増やしたいけど教える暇がない」
「新規事業をやりたいけど手が回らない」
「社員に任せたいけど心配で口を出してしまう」
そんなジレンマに陥ったときは、一度立ち止まって、
「自分は今、どの社長として行動しているか?」を見直してみてください。
もしかすると、「冒険社長」の時間がずっと足りていないのかもしれません。
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