「数字は苦手…」「うちは感覚で経営してるから」と思っていませんか?
でも実は、“必要な数字”って、難しい会計用語でも複雑な財務諸表でもありません。
管理会計は、自分のお店で大事にしたい数字を管理するための道具。
今回は、美容室経営にとって役立つ管理会計の考え方と、見るべき重要な数字(KPI)をご紹介します。
「管理会計」ってなに? 美容室に必要な数字だけでOK
管理会計とは、「経営判断のために、自社で数字を整える仕組み」のことです。
税金のための帳簿(財務会計)ではなく、自分のお店の経営に使う数字をつくるための考え方です。
✅ 法律に縛られない(自分で決めてOK)
✅ 現場の改善・戦略に使える
✅ ざっくり計算もOK。使えることが大事
「うちの店にとって、どんな数字が見えたら嬉しいか?」を考えよう
たとえば、こんな悩みはありませんか?
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利益が出ているはずなのに、なぜかお金が残らない
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どのメニューが一番もうかってるかわからない
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スタッフの売上にバラつきがあるけど、どこを改善すべきか判断できない
こうした疑問に答えるために、自分の店の経営にとって必要な重要な数字(KPI)を設計していきます。
美容室経営者が見るべき「重要な数字(KPI)」例
以下は、美容室の経営で“見る価値のある”KPIの一例です。
いきなり全部をやる必要はありません。「これが見えたら嬉しい!」というものから1つずつでOKです。
KPI名 | 内容 | 活用例 |
---|---|---|
客単価 | 総売上 ÷ 来店人数 | メニュー設計・価格見直し |
技術売上構成比 | カット・カラー・パーマなど売上構成 | どの技術が強みか把握できる |
技術者別売上 | スタイリストごとの売上 | 人材育成・評価の指標に |
新規客リピート率 | 新規来店者の再来率 | 接客・フォロー改善に活用 |
店販率 | 店販売上 ÷ 技術売上 | クロスセルの成功度を測る |
稼働率 | スタイリストの稼働時間 ÷ 営業時間 | 人員配置や集客の見直しに |
一人あたり粗利 | 売上 − 材料費 − 人件費 ÷ スタッフ数 | 効率的な営業体制かを見る |
メニュー別粗利率 | 売上 − 原価 ÷ 売上 | メニュー戦略の見直しに役立つ |
管理会計は「現場が動ける数字」をつくること
管理会計の最大の目的は、“数字で気づいて、動けるようになる”ことです。
例えば以下のような改善に活かせます。
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客単価が低い → セットメニューの提案を強化
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稼働率が低い時間帯 → クーポンの時間制限で調整
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店販率が低い → 売り場の導線を変えてみる
数字はあくまで行動のヒント。
だからこそ、「自分のサロンにとって動ける数字を、見やすく整えること」が大切なんです。
まとめ
管理会計とは、「自分の店にとって必要な数字を整えること」。
複雑な会計知識は不要。
感覚に頼りすぎない経営をしたいなら、“今見えていない数字”を見える化するところから始めましょう。
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